Bobstain_Kのブログ

いろいろ書いています。

シンターバーツ 第四話  来襲

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砦の上にいるビシュヌの目には無数の『大群』が映っていた。それも千や二千ではない。

「…やはりか。この200年奴らは、こんなにも技術を挙げていた。これは一筋縄ではいくまい。」

彼の眼下にはマヌシアと呼ばれる生き物の軍隊が充満していた。彼らは言葉を操り大きな集団を成していた。その容姿は様々であるが彼らには鉄の鎧・長い槍・そして彼らの後方には見たこともないようなものが鎮座していた。

「…あの『サル』どもめ。懲りずに来やがったか。」

そこに補佐官のテパイが登ってきた。

「いやー、こりゃ『大群』ですな。200年前とは数が違う。」

「テパイ、違うのは数だけではないぞ。見ろ…」

ビシュヌが指し示した先には先ほど天を穿つような光を発したであろう鉄の筒が煙をごうごうと吐いていた。

「どうやら200年前のようにはいかないようだ。テパイ、これから街に戦闘態勢の緊急配備をする。各長に伝えよ。」

「ビシュヌ様、承知いたしました。」

補佐官・テパイが小柄な体を翻し壁を下ろうとしたとき、

「まて!!」とビシュヌ。

・・ドゴォォ   遠くで鳴り響く号砲。次の瞬間………

バッッドゥゴーーーーン、ガラガラガラ

「ああ、トゥマンの城壁が………」テパイが腰を抜かす。

「やってくれたぜ、こりゃもうお相手さんやる気満々だな。」闘志みなぎるビシュヌ。

「テパイ、俺の槍を持ってこい。それとあと一つお前に頼みがある。」

 

その後、来るべき大きな戦いに向け戦闘街・トゥマンは慌ただしく殺気に満ち溢れていくのだった。

                   シンダーバーツ 第四話 完

                   読んでいただきありがとうございます。

                   更新が遅くなりすみません。

                   今後の展開にご期待ください。

 

 

シンタ―バーツ 第三話 瞬き

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二人の胸のベルーナ石の光が輝きを増すと、二人の姿かたちが見る見るうちに戦士へと変化していく。

「久しぶりだな、ビマ。俺たちの力が解放されていく。」

「ああ、この毛が逆立つ感覚。あの時にそっくりだ。どれだけ待ったか、やっとだ…やっと…母さん…」

「ああ、今度こそ俺たちの国を守り、奴らのために消されてきた大地の力を取り戻す」

二人が通った跡には様々な生き物が輝きを放つ。その輝きは、戦闘街トゥマンへとまっすぐ架けていく。

 

時は少しさかのぼる。ここ戦闘街トゥマンでは多くの「テータラ」と呼ばれるストゥーナ族の民が生活をしている。メインストリートには多くの店が出てにぎわっている。その中にひときわ目立つアリゲーターのストゥーナ族が大きな足音を立て闊歩していた。彼はこの街の長であり防衛隊長の「ビシュヌ」という名で広く知られている。彼は、ビマやハルジュナ達戦士の教官でもある。

「はっはっはは、この街もよーここまで豊かになったものよ。」

「これもビシュヌ様の手腕のおかげでございます。」

ビシュヌの巨体の陰からすっと現れたのは補佐官・リスのストゥーナ族「テパイ」。

「テパイ、謙遜をするな。お前の政治家としての力は素晴らしいな、この整えられた街の防衛装備に正確な区画割。近年まれにみる素晴らしい街だな。」

「へへ、ありがとうございます。腕を振るったかいがありました。」

二人はメインストリートを庁舎へ向かってゆっくりと歩いていく。

 

ドゴォォォン、バッコォォォン、バリバリ

天を穿つような衝撃、太陽が落ちてきたかのような光の陰。

その衝撃に遅れること瞬き一つ、

バシュッッッ

メインストリートにあったこの街一番の巨体は姿を変え、街の最前線へ降り立つのだった。

 

                 シンダーバーツ 第三話 完

                今回も読んでいただきありがとうございました。

                次回からはついに、敵の姿が…

                次話もお楽しみに!!!!!

 

 

シンダーバーツ 第二話 タンクバンの森

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「はぁはぁはぁ」ビマが木々の間をひらりひらり、とひた駆ける

「ぜぇぜぇぜぇ」ハルジュナは大きな体をゆすりそれに続く。

「はっはは、ハルジュナ、ついてきてるか」

「ぜぇぇぜぇぇ、あ、あたりめーよ、ぜぇぇぜぇぇ」

「その割にはきつそうだな、その巨体は何のためにあるんだ」

「うるせー、この大きな弓を持っていなけりゃお前なんてな‥‥」

その背中には2メートルともいえるほどの巨大な弓が控えていた。

「そうかそうか、それじゃ無駄話は町についてからにしよーか。」

二人はひた走る、生まれ育った街、トゥマンを目指して‥‥

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二人が走る『タンクバンの森』は、光の幕のうちに広がる広大な面積のほとんどを占めている。そこには、様々な生物が生息しており多くの生物の命の源となっている。しかし、特に多く生息しているのは半獣半人と呼ばれる『ストゥーナ族』と呼ばれている者たちで見た目には様々な違いがある。ビマはこの国の戦士でイーグルのストゥーナ族、ビマとともに行動を共にしているハルジュナは強弓の戦士でゴリラのストゥーナ族。今彼らは、200年ぶりに輝きだした光る石『ベルーナ石』に導かれ光の幕の外からやってくる『奴ら』を迎え撃とうとしている。

 

ドゴォォォン

街の方から大きな爆発音が鳴り響いた。

「ハルジュナ、急ぐぞ。これはただ事ではない、一刻の猶予もない」

「おう、準備はできている」

ピクゥゥゥン

二人の胸の石が輝きだす。すると、ビマとハルジュナは戦士へと姿を変える。

それは、まるで無敵の戦士、『パワダン』のように‥‥

 

                          シンダーバーツ 第二話 完

                     読んでいただきありがとうございます。

                         次の更新もお楽しみに!!!!

 



シンターバーツ 第一話 君のもとに

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僕はどれだけ寝ていただろうか。

「・・・マ、・マ、ビマ!!起きろ、ビマ!!」

「う、う〜ん、どうしたんだいハルジュナ。せっかく気持ちよく寝ていたのに」

目の前に見覚えのある四角い怖い顔が血相を変えて覗き込んでいた。

「ビマ!!急げ、マヌシアどもが光の幕を破ってきやがった。今日はもう寝れそうにねーぞ」

その瞬間、僕の体に電流が走ったような感覚がした。いや、おかしい。そんなことが…。

「ハルジュナ、僕はまだ寝ているのか。ほんとにそんなことが…」

「何寝ぼけてんだ。ベルーナ石がいつもより光ってやがる。街も騒がしい。これは最悪の事態かもしれん。」

胸に目をやるとベルーナ石がはち切れんばかりに輝いている。

「ほんとにそんなことが、、、200年ぶりに、、、奴らが。」

この手の痺れ、鼓動の重さ、毛が逆立つほどの怒り、間違いない、奴らだ。

「ハルジュナ、やる時が来たようだな。」

私は何かに掻き立てられるように立ち上がった。

「へへ、このハルジュナの強弓見せてやろう」

2人は震える手を感じながら山頂の山小屋を後にした。眼下に見える住み慣れた街を目指して……。

       「シンターバーツ」第一話 完

見てくださりありがとうございます。

今後も更新予定ですので是非よろしくお願いします。