シンターバーツ 第一話 君のもとに
僕はどれだけ寝ていただろうか。
「・・・マ、・マ、ビマ!!起きろ、ビマ!!」
「う、う〜ん、どうしたんだいハルジュナ。せっかく気持ちよく寝ていたのに」
目の前に見覚えのある四角い怖い顔が血相を変えて覗き込んでいた。
「ビマ!!急げ、マヌシアどもが光の幕を破ってきやがった。今日はもう寝れそうにねーぞ」
その瞬間、僕の体に電流が走ったような感覚がした。いや、おかしい。そんなことが…。
「ハルジュナ、僕はまだ寝ているのか。ほんとにそんなことが…」
「何寝ぼけてんだ。ベルーナ石がいつもより光ってやがる。街も騒がしい。これは最悪の事態かもしれん。」
胸に目をやるとベルーナ石がはち切れんばかりに輝いている。
「ほんとにそんなことが、、、200年ぶりに、、、奴らが。」
この手の痺れ、鼓動の重さ、毛が逆立つほどの怒り、間違いない、奴らだ。
「ハルジュナ、やる時が来たようだな。」
私は何かに掻き立てられるように立ち上がった。
「へへ、このハルジュナの強弓見せてやろう」
2人は震える手を感じながら山頂の山小屋を後にした。眼下に見える住み慣れた街を目指して……。
「シンターバーツ」第一話 完
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