Bobstain_Kのブログ

いろいろ書いています。

シンタ―バーツ 第三話 瞬き

f:id:Bobstain_K:20220304144416g:plain

二人の胸のベルーナ石の光が輝きを増すと、二人の姿かたちが見る見るうちに戦士へと変化していく。

「久しぶりだな、ビマ。俺たちの力が解放されていく。」

「ああ、この毛が逆立つ感覚。あの時にそっくりだ。どれだけ待ったか、やっとだ…やっと…母さん…」

「ああ、今度こそ俺たちの国を守り、奴らのために消されてきた大地の力を取り戻す」

二人が通った跡には様々な生き物が輝きを放つ。その輝きは、戦闘街トゥマンへとまっすぐ架けていく。

 

時は少しさかのぼる。ここ戦闘街トゥマンでは多くの「テータラ」と呼ばれるストゥーナ族の民が生活をしている。メインストリートには多くの店が出てにぎわっている。その中にひときわ目立つアリゲーターのストゥーナ族が大きな足音を立て闊歩していた。彼はこの街の長であり防衛隊長の「ビシュヌ」という名で広く知られている。彼は、ビマやハルジュナ達戦士の教官でもある。

「はっはっはは、この街もよーここまで豊かになったものよ。」

「これもビシュヌ様の手腕のおかげでございます。」

ビシュヌの巨体の陰からすっと現れたのは補佐官・リスのストゥーナ族「テパイ」。

「テパイ、謙遜をするな。お前の政治家としての力は素晴らしいな、この整えられた街の防衛装備に正確な区画割。近年まれにみる素晴らしい街だな。」

「へへ、ありがとうございます。腕を振るったかいがありました。」

二人はメインストリートを庁舎へ向かってゆっくりと歩いていく。

 

ドゴォォォン、バッコォォォン、バリバリ

天を穿つような衝撃、太陽が落ちてきたかのような光の陰。

その衝撃に遅れること瞬き一つ、

バシュッッッ

メインストリートにあったこの街一番の巨体は姿を変え、街の最前線へ降り立つのだった。

 

                 シンダーバーツ 第三話 完

                今回も読んでいただきありがとうございました。

                次回からはついに、敵の姿が…

                次話もお楽しみに!!!!!